夏への扉がまた音もなく現れた。扉を開けると眩しい日差しの中
懐かしい一軒の喫茶店が佇んでいた。
清里ミルク・・・1980年代初頭、清里が大ブームとなった火付け役
ともいえる喫茶店。
アンノン族、るるぶ族の若い女性たちが清里へ大挙して押し寄せ、
静かな高原の避暑地は、彼女たちを目当てに派手でメルヘン調の町
と化した。
ブームはあっという間に去り、・・パステルカラーのメルヘンの
廃墟だけが残された町となる。
もはや当時のプレハブ・メルヘン風景も取り壊されつつあるが
清里ミルクは今なお健在な姿を保持している。